この記事は連載物です
記事の最初=> セット位置について(1)
前回=> セット位置について(2)
さて、セット位置についての第3回です。ここまでまだ読んでないよ~という方は上記リンクから読み進めて下さいね!
前回デメリットについてお話しました。凄く簡単にまとめると
「セット位置変更は安易に行うと元に戻せないこともあるかも!」
です。ビンディングの取り付けは板に穴をあけるので仕方ないですが…。
で、今回はセット位置変更の効能です。この話題のあたりが今回の考察のキモになると思うので頑張ってわかりやすく書きたいと思います。
センターマークの位置は板のコンセプトなどにより決められているというのは前にお話しした通りですが、この位置は誰でもOKというわけでなく、人それぞれで微調整した方がより板の性能を発揮しやすくなります。
「板の上に乗る」というのは案外シンプルで、乗っている板の最も安定する場所に人は乗ろうとします。その位置と重心の位置のずれによって板をコントロールするのですが、これが数センチの差で大きく変わります。
なぜかというと、自分のバランスを取りやすいポイントとサイドカーブのラディウスの頂点やキャンバーの頂点との位置が変わるので、エッジの掛かり方が変わったり、前後の板の硬さ、フレックスバランスが変化するからです。さらに板そのものの前後の重さのバランスもあるので、ちょっと(=cm)の調整で大きく板の性能が変わってきます。
基本的に、板に対してトップが食いつきにくいとか、テールが残って曲がりにくい。と言ったネガに対してセット位置の変更はかなり効果があります。フリースキーをやる方なら板の前後バランスの調整はジブ、エアともに重要でしょう。
さらにブーツによっては、正しく取り付けたとしてもセンターマークとブーツセンターがズレてしまう場合も少なくありません。この差が大きすぎる場合は調整した方が良い場合と言えます。
実際のところ、1cmくらいならば差異はあまり感じませんが、2cm以上となると板の感触は大きく変わりますし、実感もあります。物によっては全く違う板と錯覚するぐらい。
なので良い方向に調整できればセット位置の変更は非常に有用なチューンなのですが、もちろん悪化する場合もあります。そしてセット位置変更に手を出して滑りにくくなったと感じているならば…それは適切なセット位置ではない可能性が大きくあります。
そんなところで次回はセット位置の落とし穴について解説したいと思います。
続く!