2016年12月1日木曜日

セット位置について(4)

この記事は連載ものです

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前回のあらすじ
セット位置変更は板に乗りやすくするための有用性なチューン!かも?

ということで4回目です。今回はセット位置変更の落とし穴についてです。

特にフリースキーでの事なのですが「ドセン神話」と言うものがあります。

ドセンとはどセンター。板のど真ん中にセンターが来るようにビンディングを取り付ける事です。これをドセンとよく呼んでいるのですが、何故かフリースキーやるならドセンが最高!と言う風潮があります。

実際どうなのかと言いますと、板によっては凄く滑りにくい板になってしまうことがあります。板の開発者として、スキーチューナーとしても見解として

「上級者でない限りドセンはほぼメリットがない」

と考えています。

これだけではなく。無理にドセンにするとビンディングの取り付けのための構造体(ビンディングプレート)が無いところに取り付けてしまうこともあるのです。

多くの場合、ビンディングプレートはセンターマークを中心に60cm弱位の範囲で板の内部に仕込まれています。それを越えると構造体がないのでビス抜けの恐れがでてきます。ビンディングのビス抜けは滅多に起きることではないのですが、起こってしまったら最悪です。

さらにもう一点。普通はセットバック、セットフロントはメーカーが設定したセンターマークを基準に勘案しますが、板の中心を基準にはしません。それを勘違いして取り付け依頼を行うと、とんでもない位置に取り付けることも起こり得ます。

「センターから2cmバック」とはセンターマークから2cm後ろと言う意味で、自分が意図するのが板の真ん中から2cmバックならば事前に計って「センターマークから何cmフロント」と依頼しないとチューナーが間違えてしまうことにもなります。

このように、セット位置についての情報が一人歩きしていることで無用のトラブルや事故が起こっている背景が今現在あります。これが落とし穴。

さて、ここまで理解がすすんだ所で次回は実際の現場でのセット位置について解説したいとおもいます。

では次回!続く!